5月の連休や夏休みといった長期の休みのあとに子どもが登校を渋り「学校に行きたくない」と言うことは決して珍しくありません。
そこで、子どもが不登校になりそうな時に親として何ができるかを15の方法にまとめました。
お子さんにピッタリ合う方法が見つかると良いのですが…
また、「もっといい方法があるよ!」と言う方はぜひコメント欄から教えてください(^^)/
①欠点を指摘して学校に行かせる
「ほんとにダメな子ね、グズグズ言ってないでさっさと準備しなさい」
「ほら、また始まった。嫌なことからすぐ逃げようとする、逃げてばかりいないで立ち向かわなきゃ」
「学校に行きたくない」と子供が言ったことをきっかけに、逃げ腰だ、怠け者だ、だらしない、消極的ね、そういう欠点を持ち出して学校に行かせようとするものです。
○親から次から次に欠点を言われることに耐えられずに登校することが期待できます
○欠点をあげて登校を迫ることで親の責任を果たせるのでスッキリできます
○それをきっかけに登校が続けばラッキーです
×「学校に行きたくない」と言っただけなのに、多くの欠点を指摘されて子どもは深く傷つきます
×自分が困っているときに助けてくれない親に不信感をもちます
私なら、過去のことをほじくり出されたり、関係ないことを持ち出されて文句を言われたら頭にきます。
子どもも同じようにムッとすると思いますが、「学校に行きたくない」という負い目からひたすら黙って聞いているかもしれません。
②無理やり登校をさせる
私が中学校に勤務していた時に、親が車に子どもを乗せてくるケースが時々ありました。
過保護で車で送ってくるのではなく、登校を渋る子を無理やり車に乗せてくるものです。
○学校まで連れてくるので確実に登校できます
○そのまま何事もなかったかのように子どもが学校で学習に取り組めることもあります
○それがきっかけで登校が続くこともあります
×無理やり登校させられるので親を恨む可能性があります
×無理やりされることから子どもは逃げ場を失います
私の経験上、登校を促されてくる場合は、それをきっけに登校が続くケースもありましたが、車に乗せられてくるような場合で翌日から部屋に閉じこもるような場合もありました。
③叱って学校に行かせる
「学校はちゃんと行かなきゃダメだろ!」
「早くしなさい! いい? ちゃんと学校に行くのよ!」
こういって叱り飛ばして学校に行かせるものです。
①のように欠点を並べ立てることはしないし、②のように無理やり連れて行くことはしません。
○親のけんまくに押されて登校することが期待できます。
○学校に着いてしまえばいつも通り頑張ることが考えられます。
×親の期待に応えようと頑張ることでストレスがMAXになり耐えられなくなるかもしれません
×強く叱れば叱るほど、子どもは心を閉ざして本音を話してくれなくなるかもしれません
①や②に比べて、最後は親の言うことを拒否するという子どもの逃げ場があります。
ただ、叱られ続けているうちに自分はダメな子という意識が強まるかもしれません。
④友人に頼んで迎えに来てもらう
自分の子と仲良しの友だちが近所にいるような場合に、「ねぇ、お願いだから迎えに来てくれない?」と、頼んで来てもらうことができます。
○親に対しては拒否できても友だちの訪問を断れない場合は登校に結びつきます
○登校しない子に親が直接アプローチしないので、楽だしダメなときに親が傷つきません
×友だちに自分の情けない姿を見せることになった場合に取り返しがききません
×子どもと友だちの本当のつながり程度を親が知らない場合は危険です
経験上、うまくいったケースもあるのですが、逆に深入りしたケースも多いです。
誰だって、友だちに見てもらいたくない自分の姿ってありますからね。
一度だけですが、迎えを頼んだ友だちが、実はいじめをしていた中心の子だったというケースがありました。
それを見抜けないで安易に親が頼んでしまった場合、子どもはどうしようもない絶望感に襲われることでしょう。
※友だちではなく、先生から来てもらうのも同様で、先生にダメな子と思われたくない場合もあるし、先生が嫌で登校を渋る場合だってあります。
⑤交換条件を出して登校をうながす
「がんばって学校に行ったらゲームソフトを買ってやるから」
「学校に行ければ、家で自由にゲームしてもいいから」
逆に
「学校に行かないならスマホは禁止です」
「学校に行かないならママご飯作らないよ」
このように子どもの喜ぶ交換条件を出したり、子どもが困る交換条件で登校を迫るものです。
○子どもは交換条件につられて登校することが期待できます。
○交換条件が続く限り登校も続くことが期待できます。
×交換条件を出しても言うことを聞かずに登校できないと次に打つ手が難しくなります
×不登校の根本的な解決にならない場合もあります
仮に子どもの怠け心から「学校に行きたくない」と言った場合、ゲームを買ってもらえるということに味をしめてわがままがエスカレートすることも考えられます。
子どもにとって不利益な交換条件も「ご飯を作らない」「面倒見ない」など程度がひどくなると虐待になりますので要注意です。
⑥原因を追及して学校に行けない理由をなくす
叱ることはせずに「なんで行きたくないの?」「学校に行きたくない理由はなに?」と聞いて、その原因によって親が対処しようとするものです。
○親として冷静に対処した気持ちになれるので、自分は良い親だと思うことができます
○登校できない理由を親や先生の力で無くすることができれば解決します
○登校できない理由をあげているうちに、登校しようという気持ちが出てくることが期待できます
×本人にも理由がわからないことがあり、その場合は理由を聞かれた子どもは困惑します
×いじめを受けている場合は理由を親に知られたくないと思い、口をつぐむかもしれません
×親は冷静に聞いているつもりでも、子どもにしてみると責められているという気持ちになります
以前担任した生徒で、不登校を克服し普通に家庭をもち仕事をしている卒業生がいます。
その卒業生に聞くと、多くの子は不登校の理由を言えませんでした(^^;)
私もありますよ、理由もなく何もかも嫌になる時って(^^)/
⑦学校に行くことを説得する
「辛いことに負けずに頑張って行きなさい!」
「そういう時もあるよ、お父さんも子どものころにあったよ、でも学校は大事だしそれが子どもの仕事だよ」
大人の智恵を駆使してなんとか子どもを学校に行かせようと説得するものです。
○こどもが「なるほど!」と思えるような上手なお話ができれば子どもは学校に行くかもしれません
○登校できれば、それをきっかけに続けやすくなります
○上手な説得ができるお母さんやお父さんを尊敬するかもしれません
×私のために言っているのでなく、親の都合や世間体のために説得していると子どもが感じると何も言うことを聞かなくなります
×いじめを受けていて登校を渋っている子の場合などは理屈で反論できないので逃げ場を失います
親が怒ることもなく子どもを説得できる自分に自己満足して終わるかもしれません。
説得の理屈が正しければ正しいほど子どもを追いつめる危険性をもってきます。
⑧励まして登校を促す
「がんばって学校行こうね!」
「私も子どものころ経験あるなぁ(^^;) でもさ、がんばって乗り越えようよ!」
叱ることをせず、責めることもしないで子どもの登校をうながすものです。
○親の期待に応えて登校できる可能性があります
○励ましの内容によっては子どもの心に響いて、今後の不登校の心配がなくなるかもしれません
×親の期待に応えられない場合、子どもが自分を責めることにつながります
×やさしい言葉だけに反論できず、子どものストレスが極度に高まる恐れがあります
励まして登校を促すことで良い親になっていると自己満足してしまい、本当の子どもの心の苦しみや痛みに気がつかない場合も出てくるかもしれません。
⑨甘えさせてあげる
親の愛情不足とばかり、子どもに今まで以上に愛情を注いだり、ぎゅーっと抱きしめて甘えさせたりするものです。
×甘えさせたから急に登校できるようになるものではありません
×甘えさせると子どもが調子に乗って際限なくわがままになるかもしれません
○子どもから不安な気持ちがなくなり、家庭の中に逃げ場を作ってあげることができます
○長い目でみた場合、子どもに安定した気持ちを育てることができるかもしれません
学校に行かないことだけでなく、あれもこれも子どもの思い通りになったときに収拾がつかなくなるかもしれません。
甘えさせるところと、厳しくしてあげるところのバランスやメリハリが大切になってきます。
⑩誰かに相談する
自分一人で解決しようとせずに他の人のアドバイスを求めていくものです。
×他力本願になり解決が先延ばしになる恐れがあります
×子どもの不登校の状況を他の人に知られ、広めてしまうことになります
○ひとりで抱えこまないので気持ちを楽にして対応を考えることができます
○自分一人では考えつかない広い視野からの対応を考えることができます
学校の先生に相談する、行政の相談窓口に電話をする、カウンセラーを訪ねるなどいろいろな方法が考えられます。
ただ、外部に相談する前に家族の中で相談することを先にした方が何かと良い場合も考えられます。
⑪「登校しなくていいよ」と言ってあげる
「子どもが学校に行きたくない場合の対処」をネット上などで調べると、いちばん多く出てくるアドバイスです。
×「登校しなくていいよ」と言って子どもは逃げ場を確保でき安定するが、次の方策を考えないとひきこもりにつながる恐れがあります
×「登校しなくていい」ということを、親子共に拡大解釈するとひどい目にあう危険性があります
○とりあえず子どもの心を安定させる効果が高い
○親に理解された安心感から次の展開がしやすくなりやすい
ただ、多くの人が言うからといって鵜呑みにして行動すると思わぬ落とし穴に入ってしまうこともありますので要注意です。
「登校しなくていい」から「何でも子どもの言うとおり」と親と子が勘違いすると、昼夜逆転した生活になったり、一日中ゲームだけをするような生活になる心配があります。
⑫共感しながら話を聞く
⑪の「登校しなくていい」と言った後の対応として考えられます。
「なぜ学校に行きたくないの?」と理由を聞くのではなく「何か嫌なことがあった?」と子どもの気持ちに寄り添いながら話を聞くことです。
×話を聞いたからといって、すぐに登校に結びつくものではありません
×子どもが上手に答えられないときに矢継ぎ早に質問を重ねると結局は追いつめることになります
○子どもは親に話すことで不安を解消することができる可能性があります
○親に話すことを通じて子どもが自分の気持ちを整理する効果があります
自分の気持ちではなく子どもの気持ちを優先しながら、急がずあわてず聞くことがポイントになります。
⑬親自身を振り返ってみる
子どもではなく、親が自分自身に視点をもっていくことになります。
夫婦や家族の中で一緒に考えればさらに効果が高まりますが、お互いを責めるようになっては逆効果です。
×親が自分自身を振り返ったところで、それが直接不登校の改善に結びつくものではありません
×家族間で責任のなすり合いになった場合は状況がさらに悪化し、それを感じた子どもが自分を責めるようになります
○長い目で見たときに子どもが健やかに育っていく大きな力になるかもしれません
○子ども自分自身を振り返るきっかけがつかめるかもしれません
親が次のようなことを振り返ってみることが考えられます
- 夫婦間の溝はないか夫婦ケンカをしてはいないか
- 無言のプレッシャーを子どもに与えてはいないか
- 兄弟姉妹間の比較、友だちなどと比較してはいないか
- 愛情不足、過保護、過干渉などになってはいないか
- 放任していないか、子どもの言いなりになっていないか
⑭生活のリズムに目を向ける
子どもは五月の連休や夏休み明けなどに学校に行きたくないと言うことが多く見られます。
まぁ、大人だって長い休み明けは嫌ですよね(^^)/
それを心の問題にしてしまわずに、「生活リズムが狂っていない?」と考えるものです。
×いざ「学校に行きたくない」と子どもに言われた後では役に立ちません
×生活リズムが整っても行きたくないものは行きたくない、そういうことも多いです
○生活リズムが整っていると長い休みの後、動き出すときの心の重荷を軽くしてくれます
○不登校に関係なく大切なことですのでやって損はないです
「学校に行きたくない」という子どもを尊重して登校させない場合、深夜までテレビを見たりゲームをして次第に生活リズムがおかしくなることはよくあることです。
それを予防する、あるいは改善することはとても大切なポイントとなります。
⑮子どもの自己肯定感を上げる
不登校になるような子、なっている子に自己肯定感、自己有用感の低い子が多く見られます。
そこで自己肯定感を高めるように親が仕向けるものです。
×直接不登校を改善することに役立ちません
×親の根気と工夫が必要です
○自己肯定感を高めると子どもがいきいきとしてきます
○仮に不登校が続いても自己肯定感が高ければ次の展開がしやすくなります
「学校に行きたくない理由」を本人から問いただすことはNGですが親自身で考える必要があります。
- 何でもかんでもやってあげて過保護にしていないか
- 真面目なので自分を責めていないか
- 学習に遅れが出て劣等感になっていないか
- 人見知りで人との付き合いが苦手でないか
そう考えていくと…
- 自分でできることをさせるようにして自信をもたせていこう
- 時には親の失敗談を聞かせて子どもの気持ちを楽にしてあげよう
- 学習面での劣等感をなくするにはどうすればいいか考えてみよう
- 少しずついろいろな人と家族ぐるみで交流するような機会をもとう
こういった方向性も見えてきます(^^)/
まとめとして
お子さんの年齢や、今までの生育歴、パパやママとの関係、兄弟姉妹間の関係、成績、友人…。
本当に様々な状況によって原因も多様なら、対策も様々あると思います。
一概に否定したり、鵜呑みにしてそればかりやり続けるのではなく、柔軟に考えていっていただけるといいかと思います。
お子さんによっては絶対にしてはダメな方法もあるかもしれませんので、くれぐれもご注意を(^^)/
それではまた!