ここに来てくださったあなたは、思春期と反抗期の違いや思春期や反抗期の接し方のコツを前向きに考えようとしていらしゃると思います。
そこで、少し堅い話になるかもしれませんが、できるだけお役に立てるように心がけてまとめました。
✔ 思春期はある時期に始まり、必ず終わりがきます。
✔ 反抗期は幼児期と思春期に強く表れますが、反抗期が穏やかでないように見える場合もありますし、老人の反抗期なんてのもあるようです(^^;)
✔ 思春期を理解しないで反抗にばかり振り回されると、子どもの成長を台無しにする恐れもあります。
そこで、思春期にぜひしていただきたいことを2つ、反抗期に避けたいことを2つお伝えします。
さらに、お子さんの思春期・反抗期にぜひ心がけていきたいことを2つ最後にまとめました。
思春期 反抗期の違いがわかると子どもを見る目が変わるかも
長年、教育現場にいましたので、思春期と反抗期については理解していたつもりですが、あいまいになっていたところもありました。
そこで、先日の子育てセミナー開催にあたり詳しく調べたことをシンプルにまとめました。
この図は、それぞれが現れる時期を表したものです。
文科省の定義を元に、そこで示されていないものは百科事典等の記述を参考にしています。
調べてみると、思春期と反抗期の違いをはっきりさせることで子どもへの対応がわかりやすくなって反抗期を和らげて上手に生かしていけることもわかりました。
思春期は終わりますが反抗期は終わらないかもしれません
子どもは生まれた瞬間に女の子か男の子かがはっきりします。
これが第一次性徴で、まだ生殖能力がありません。
体が成長し、男の子の筋骨の発達し声変わりしたり、女性の乳房が発達し月経が始まるなどして、それぞれの生殖能力が備わるのが第二次性徴で、思春期の時期と一致します。
思春期は身体の成長だけでなく心も大きく成長し、心身共に大人になっていく時期です。
思春期は第二次性徴の時期と一致しますから時期の早い遅いは人によってみな違いますが、必ず始まりがあり終わりが来ます。
ところが…
思春期の時期に見られやすい反抗期の対応を失敗すると、身体は大人になっても精神的に大人になりきれないことがあります。
50歳の青春とはいいますが、50歳の思春期はないですよね(^^;)
思春期が終わらないのではなく、反抗期を乗り越えてなく大人になりきれていないと考えた方が自然だと思うのですが、いかがでしょう?
そんな人、あなたの身近にいませんか?
私の身近にいた男性の例を挙げますね(^^)/
✔ ささいなことでも自分の非を認めず、責任をもちたがらない
✔ 自分がうまくいかないのは親や社会のせいだと思い込んでいて成長がみられない
✔ 親と一緒に住み、親に依存している面が強い
私は長年教育現場にいて多くの中学生とその親御さんに接してきました。
中には、「うちの子、反抗期がないんです」という穏やかな家庭もあれば、様々な問題を起こし、親といつも激突していたような生徒もいました。
できることなら、穏やかに上手に思春期や反抗期を乗り越えていきたいものです。
それでは、それぞれの時期の対応のコツを、それぞれ2つずつまとめました。
思春期にしてほしいことが2つあります
思春期とは身体が成熟し、精神的にも大きな変化が現れる大人への切り替わりの時期です。
反抗期は子どもの精神的な発達の過程で、否定や拒否の態度が出ることをいいますから、思春期と反抗期を切り離して考えていくとわかりやすいです。
性についての理解と配慮をしましょう
思春期は第二次性徴とも言われる時期で、子どもの身体から大人の身体に大きく変化しますので、子どもは不安になりがちです。
まして、体や性に関することは親にも相談しにくい場合がありますので配慮することが大切です。
男の子に見られる変化 | 女の子に見られる変化 |
筋骨が発達し声変わりする 陰のうが大きく陰茎が長くなる ヒゲやわき毛や陰毛が生える 射精できるようになる |
丸みをおびた体つきになる 乳房が発達する 陰毛やわき毛が生える 月経・生理が始まる |
この時期、家族一緒に何気なく生活していても、性の違いについては少し配慮したいものです。
✔ 風呂上がりに裸のまま家族の前に出ない
✔ 初潮を迎えた女の子を温かく見守る
・基本的にはお祝いをする気持ちで!
・不規則な生理、不快な生理を理解する
✔ 男の子の秘密に配慮する
・射精で汚れた下着を隠したときの対応
・オナニーをしていた時の対応
・エロビデオを見ていた時の対応
思春期の言いようもない不安定さを理解しましょう
急に怒り出したかと思えば部屋に閉じこもったり、何となくベタベタ甘えてきたりすることはありませんか?
子どもは不安なんですよ。
「もう子どもじゃないんだから自分でしなさい」と言われたかと思えば
「大人みたいな生意気な口のきき方をするんじゃない!」と言われる。
子どもにしてみれば、子ども扱いされることと大人扱いされることがゴチャゴチャになっているかもしれません。
それに、「こうするといいんだよね」「こうあるべきだ」と考え方が大人びてきている反面、「自分には無理だ」と気持ちが揺らぎやすい時期でもあります。
さらに、第二次性徴期には性ホルモンが活発に生成されるため、ホルモンバランスが崩れやすい面があり、感情の起伏が激しくなるなど、精神的に不安定になるとも言われています。
両価性という言葉があります。
ひとつのことについて、相反する感情を同時にもつことですが、思春期にはそういった面がよく見られると思っていれば大らかに受けとめてあげられるのではないでしょうか。
この時期、不安定になりやすい子どもと接する時に心がけたいことをまとめました。
✔ 子どもが近くに来たら時にはギューッと抱きしめてあげる
✔ 何となく近くに来たいそぶりが見えたら「耳かきしようか?」とか言ってみる
✔ たとえば「もういい!」とか言って離れる子どもを引き留めない
✔ 部屋に引きこもるといった一人の時間を尊重してあげる
反抗期にしてはいけないことが2つあります
反抗期は自我の発達過程において否定的・反抗的な態度が現れる時期です。
特に思春期に見られる反抗期は対応を間違うと、深入りして抜け出すまでが長引き、親も子もボロボロになってしまうことがあります。
そこで、反抗期に親がしてはダメだと考えられることを2つに絞ってお伝えします。
その前に、お子さんの幼児の頃を思い出してみてください(^^)/
まず第一次反抗期のことを思い出してみましょう
第一次反抗期は幼児に現れますが、まわりの人に対してすべて「いや!」と言って反発したり、「できない」と言って困らせますよね。
今まですべて親や大人にしてもらっていたことが自分でできるようになって、自分でやろうとする気持ちが強くなって、大人や指示などに反発しているわけです。
最初に見られるイヤイヤ期は、まだ自分の思うことを言葉にして上手に伝えられないため、あれもこれも「イヤ!」の一点張りです。
その段階から比べれば、口答えをするお子さんは、大きく健やかな成長をしていると言えます。
まぁ、相手をする親は大変ですけどね(^^;)
思春期の時期に見られる反抗期は…
子どもの成長の段階で、親を含めた周囲の人の言うことを否定したり、拒否的な態度をすることは幼児期の反抗期と同じです。
ただ、幼児に比べて知識や知恵もつき、理解力が高まっています。
つまり、子どもはグーンとバージョンアップしてますので、親もバージョンアップした対応をしていきましょう(^^)/
頭ごなしに否定すると反抗期がひどいことに…
親からしてみれば、子どもは子ども! いつまでたっても自分の子供に変わりありません。
でも、お子さんは確かに成長しています。
そして、大人への階段を確実に一歩一歩のぼっています。
ですから子ども扱いされることがいちばん嫌なことでしょう。
お子さんは、あなたの言うこと、あなたのすることが自分の考えと合わないから反発しているわけです。
✔ 昨日言っていたことと違うことを言ってくるかもしれません。
でも、心を広くもって子どもの言うことをまず聞いてみることがとても大切です。
けっして言いなりになるのではなく、まず聞くことです。
時によってはすぐに返事をする必要はありません。
時間をおいて親の方ももう少し考えるゆとりをもつことも大切だと思います。
体が大きくなり、言うこともしっかりしてきましたが、まだ大人になる途中の段階ですから(^^;)
子どもの言葉に耳を傾けるコツをいくつかあげてみます。
✔ 目を見て相づちをうちながら聞く
✔ 根掘り葉掘り聞かないようにする
✔ 聞いた話を元にすぐ善し悪しを判断しない
✔ 話を元にむやみアドバイスしない
親が揺らいでいると子どもが方向を見失うかも
子どもを理解し尊重することと、子どもの言いなりになることは違います。
思春期になると子どもは身長も伸び体格もよくなります。
もしかしたら、すでにあなたより大きくなっているかもしれませんね(^^;)
そんな子が反抗期にありがちな
「しつこんだよ!」
「黙れ、ババア!」
なんて言ってくると親ではあってもつい怯んでしまいそうです(^^;)
それに、「子どもを頭ごなしに怒ってはダメ」とか言われると、つい子どもの言うままにしてしまいそうなことがあります。
でも、子どもの言いなりは決して良くありません。
良くないのではなく、ダメです(^^)/
反抗期は、親や先生といった人だけではなく、社会の権威的なものは矛盾に向けられることがあります。
これは、ひとりの自立した大人になるためにとても大切なことです。
つまり、今まで自分が鵜呑みにしてきたことに対して
「その通りにしていいんだろうか」
「もっと他の考え方はないのだろうか」
という疑問を持ち、より正しく自分にふさわしい道を探ろうとしているわけです。
ここで親や家族(祖父母)や先生の考えや言うことがコロコロ変わってしまうと、考えるよりどころとなる軸がぶれてしまいます。
けっして「正しいのはこれだ!」とやり込める必要はありません。
ちょっとのことではブレない考えをもち、一貫した姿勢を貫くこともとても大切になります。
だから、ガンコ親父も貴重なんです(^^;)
そんな対応の例を挙げてみます。
✔ そう? 私は違うと思うけどね
✔ 私はこれが正しいと思うよ
✔ これだけは譲れないの!
思春期 反抗期の時期に子どもばかり見ていると……
さて、ここまでは子どものことに目を向けてきました。
そこで心配される落とし穴があります。
それは、子どもの立場になってみればわかります。
親はもちろん、家族の大人みんなが自分の言うことやすることにいちいち反応したらどうですか?
自分のことを気にしてくれるのですからありがたいでしょうが、何と息苦しい家庭でしょう(^^;)
子どものことはもちろん大切ですが、その前に自分のことをもう一度見つめ直してみるのも良いかと思います。
夫婦仲よく仕事に取り組むことがいちばん!
私が教員になったばかりのピチピチのころ(^^;)のことです。
ある先輩教師から言われた言葉があります。
「夫婦が仲良くて仕事熱心な家庭は心配ないよ!」…と。
それから30年近くの中学校教師を務めましたが間違いないですね(^^)/
✔ たくさん「ありがとう」を言える家庭にすること
✔ 素直に「ごめんなさい」とお互いに言うこと
✔ 仕事に集中し成果を上げること
✔ 近所の人との交流を大切にし仲よくすること
✔ 家の中の整理整頓をすること
✔ 手作りを中心とした食事作りを心がけること
親として子どもにできることを考えると子どもの世界が広がる
教師の友人が多いですが、その家族を見ると子どもも学校の先生というパターンが比較的多いです。
私の教え子で歯科医をしている人、兄と祖父も歯科医、叔父さんに歯科医が何人もいました(^^;)
やはり、子どもは身近な環境に左右されることが多く見られます。
であれば…
自分や配偶者の親類縁者、友人、知り合いを総動員して、子どもの環境をもっともっと広げてみてはいかがでしょう?
自宅に招いてい久しぶりにお酒でも酌み交わしながら話を聞くだけでもいいですよね。
世界に目を向けさせる
世界中に知り合いがいればいいですが、私はいません(^^;)
そこで、子どもが小学高学年から中学、高校にかけて、海外旅行に連れて行きました。
海外と言ってもお金のこともありますから(^^;)、近くのグアムや韓国ですが、それでも国内旅行とはまったく違う価値があると思いました。
だからといって翌日からガラッと変わることはありませんが……。
未来に目を向けさせる
思春期の子、特に反抗期の子は
「ちょっとそこに座りなさい!」が苦手なはずです。
だから、あらたまって将来の話をする機会をうちの家ではつくれませんでした。
そこで威力を発揮するのが夫婦の会話です。
シングルの方はひとり言でも大丈夫(^^)/
たとえばテレビを見ながら
「そう、わたしは○○がいいなぁ」「おもしろそうだね、こんな生き方、いいなぁ」
「○○ちゃんなら、将来できるかもね」
子どもに向かって言い聞かせるのではなくて、夫婦の会話を楽しむんです。
だから、子どもがいない時に話をしてもまったく問題ありません。
結びとして…
子どもが40歳や50歳になっても親のスネをかじっているようじゃ嫌じゃないですか!
いい歳をした我が子の反抗期なんてゴメンです!
だから、思春期や反抗期のころの子育ては何かと大変ですが、未来に目を向けてお互いがんばりましょうね(^^)/
それではまた!
※様々な資料をもとにわかりやすくまとめたつもりですが、わかりにくいところや間違っていると思われることがありましたらコメントで教えて頂けるとありがたいです。
誠意をもって対応したいとおもいます。