子どもが高校生になって「子育ても一段落」そう思っていた矢先、突然「学校に行きたくない」と言ってきたら…。
多くの親は驚き、戸惑い、悩むと思いますし、私も同じです。
そして多くの親は本人に理由を聞き原因を探ろうとします。
でも、私は理由を聞きません。
さらに、多くの親は、初期の対応が大事とばかり、少しでも早く学校に戻そうとします。
でも、それはうまくいかないことが多いです。
やがて、焦る気持ちをもちながら、先の見えない不登校が延々と続いてしまいます。
でも、ここでお勧めする最初の対応は違います。
不登校になった時にしてしまいがちな親の過ち
長年、中学校現場で多くの学校に行けない子たちを見て、不登校生徒の親の相談に乗ってきました。
見ていて感じたことですが、お父さん、お母さんの中には状況を悪くするようなことをする人がいます。
✔ 学校に行かない理由を問いただす
✔ 学校に行かないことを責める
母親や父親は一生懸命になるがあまり解決を急ぎすぎるんです。
それでいて、数ヶ月が過ぎ、不登校が落ちついたころには何のアプローチもしなくなります。
その結果、そういう家庭の不登校は長引き、やがて引きこもりになります。
やがて親の力だけではどうしようもない状況になる例も決して少なくありません。
不登校を骨折に置きかえると見えてくる最初の対応
不登校は子どもの心が大きく関係していますので、見ただけでは原因も対応策も見えてきません。
そこで、わかりやすく骨折を例にして考えてみましょう。
あなたのお子さんが足を骨折したとします。
「なんで骨折なんてしたの!」と責める
あなたは、痛がっている子を前に延々とこれを続けますか?
しませんよね(^^;)
何をしますか?
まず救急車を呼んで病院に行きますよね。
なぜですか?
- 早く痛みを和らげてやりたい
- 放っておいて感染症とか引き起こしたら大変
- 安心して治療できる病院に連れて行きたい。
- ギプスなどの処置をして早く治るようにしてあげたい
こう思うからですよね。
不登校を同じように考えてみてはどうでしょう。
✔ 理由を問いただして責める
不登校になったら子どもの居場所を作ってあげる
私は長年教育現場にいて多くの不登校生とも接しましたが、不登校専門ではありません。
あくまでも、子どもが高校生の時に不登校になった時、私ならどうするということを前提に書いていますので、ひとつの例として参考程度にしてください。
子どもはさまざまな原因で不登校になります。
でも、考え方によっては、目的を達成させるために不登校になったとも言えます。
※アドラー心理学の考え方ですね
他の例をあげるなら、親の愛情に飢えている子がパパやママの目を引くために万引きを重ねるなどが、その典型的なパターンです。
不登校の場合、こんなことが考えられないでしょうか?
- 自分のことをかまってくれない親の目を引く
- いじめなどで自分の身をおびやかす学校から逃げる
- きらいな先生や生徒を困らせる
- 学校になじめない子が自分の居場所を作る
そうであるなら、まずは子どもの目的を叶えてあげましょう。
※この目的は本人が自覚していないで無意識の場合もあります。
私なら、まず骨折した我が子をとりあえず安心して治療に専念させるために入院するように、子どもが安心して家の中で過ごせることを最優先で考えます。
私「どうした? 具合悪いか?」
子「具合は悪くないんだけど何となく」
私「疲れたかね、わかった今日はゆっくりと休むといい」
→学校には「体調が悪いようなので1日休ませます」と伝えます。
もちろん、
こんなふうに体の不調を訴えているのであれば病院に連れて行きます(^^;)
不登校で学校に行かなくても生活のリズムは崩さない
「学校に行きたくない」と言われて戸惑いながらも、1日目は「今日は休みなさい」と何とか言えますよね。
困るのはそれが続いた時です。
「今日も学校に行きたくない」
特別な理由がなくて、これが2日、3日と続くと…
そんな時に私なら、こう言います。
「わかった、今日も休むといい。パパやママに何かできることはあるかな?」
きっと子どもはこう返してきます。
「別にないかな」
そこで…
「でも、急いで決める必要はないよ」
「ただ、今まで通りに朝起きて、今まで通りの時間に寝る生活は崩してほしくないんだけど、どうかな?」
学校への対応は…。
信頼できる担任なら「体調と言いましたが、学校に行きたくないという感じですので、2・3日様子を見てみます。先生にはあらためてご相談します。」と伝えます。
あまり信用できないなら「体調不良が続いています。少し様子をみてまた連絡します。」と言います。
こう言っておかないと、最近の学校はすぐ家庭訪問をしてくる場合がありますから(^^;)
ズカズカと先生が家の中に入ってくると自宅が安心できる居場所にならなくなってしまいますからね。
病院の例に戻しましょう。
集中治療室に入っているような患者さんは別ですが、病院の生活は実に規則正しいです。
私も入院生活を送ったことがありますが、決まった時間に朝食が運ばれてきますし、食事の内容は栄養計算等に基づいて作られ、消灯時間には有無を言わさず明かりが消えます(^^;)
看護師さんは、とてもていねいにやさしく対応してくれますが、
とは言いません。
やさしさと厳しさのバランスがとてもとれていると思いませんか?
家にいるなら家族の役に立ってもらう
基本的には、親の方から積極的なアプローチはせずに、子どもから「話を聞いてほしいんだけど」とか「○○したいけどどうすればいい?」と言ってくるのを待つようにします。
高校生ですから
「自分の意志で高校進学をしたのだから、登校しないといけない」
そう考えて日中家にいることに何らかの罪悪感をもつ子が多いと考えられます。
そこで、家庭の中で何らか家族の役に立ってもらうことで罪悪感を軽減させます。
「でも、体の具合が悪いんじゃないんだよね」
「ここに材料があるから、夕食の準備をしてくれると助かるんだけどどうかな?」
作ってくれたら
「美味しかった! また作ってネ」
と感謝の気持ちを精一杯伝えます。
※だって実際のところ助かりますからね(^^)/
食事の準備がNGなら他のことでももちろんOK!
大切なのは家族の一員として自分が役に立っているという気持ちを強めてほしいんです。
我が家の場合、不登校ではなかったのですが、浪人生活を送っているときにはワンちゃんの世話を全部してもらいました(^^)/
大学受験に失敗しているので、不登校生と同じように自己肯定感がとても低かったですから(^^;)
決して急がずに子どもを安心した家庭で包み込みたいものです。
ただ、言いなりになって甘やかすことは決して良いことではないと考えます。
生活リズムのように崩したくないところは厳しくするなど、やさしさと厳しさの両面をバランス良くもっていくことが大切だと思います。
✔ 生活のリズムを壊さないようにする
✔ 家族の一員としてみんなの役に立てるようにする
それではまた!